住まいの資産価値はどう決まる?中古戸建がコスパに優れる理由と、物件探しで注意するべきポイントを解説
2025.10.24
こんにちは!リノリビングです。
お家探しの選択肢として、中古物件のリノベーションを検討する場合、
中古マンションよりも中古戸建物件の方が、金額を抑えられるケースが増えています。
今回はその理由と、中古戸建物件を購入する場合のポイントについて、詳しく解説します。
● 中古マンションよりも、「中古戸建」のコスパが優れる理由
● 物件購入で知っておきたい「土地」と「建物」の価格の仕組み
● 中古戸建物件の購入で、気を付けるべきこと
リノベーションを検討されている方はもちろん、新築物件を検討されている方も、ぜひ参考にしてくださいね。
1:中古マンションの価格は高止まり!福岡でも中古戸建の方が安い理由とは
不動産の価格は、「その家が欲しい人が今多いか、少ないか」で変化します。
現在では、日本における不動産は「今欲しい人」が増えている状態であり、
福岡市でも価格上昇が続いています。
実は、そのあおりを一番大きくうけているのが、中古マンションです。
というのも、住まいの購入を最も検討している30代~50代は共働き世帯が多く、
「アクセスのよい立地」が家探しにおいて重視される条件となり、駅近に建てられるマンションの人気が上昇。
いっぽう新築マンションは、建築資材の高騰や、大型マンションが建てられる土地が少ないことから、建築数が低下しています。
価格も大幅に上昇し、なかなか手が出せない価格帯を推移しています。
加えて、中古マンションは新築より立地がよいものが多いため、都心部で働く人の需要が増加。
その需要を見込んで、「投資目的での購入」が増え、物件価格を吊り上げる要因に。
その結果、現存する中古マンションは在庫を取り合う形となり、価格が高止まりしているのです。
マンションや土地より、中古戸建が割安で購入できる
中古マンションの価格高騰は前述したとおりですが、
一方で中古戸建はというと、同じように少しずつ上昇傾向にあります。
ですが、価格が高騰する中でも、「中古戸建が住まいの中で最も割安で購入できる」物件と言えます。
その理由は、「価格添加が少ないから」。
住まいの価格に含まれているものを表にしてみると、よくわかります。
| 中古マンション | 土地(更地) | 中古戸建 |
|---|---|---|
■ 土地の価値 | ■ 土地の価値 ■ 家の解体費用 ■ 不動産業者の利益 | ■ 土地の価値 ■ 不動産業者の利益 |
中古戸建は、他の物件と比べても、
工事や投資が入りにくいため、添加される価格が抑えられています。
そのため、他のどの住まいよりも割安で購入できると言えるのです。
【CHECK】福岡市近郊の中古戸建価格は、マンションよりも穏やかに推移している
では実際に、ここ数年の中古物件価格の推移を見てみましょう。
下記のデータは、福岡県宅建協会から引用したものです。
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|---|
※一見中古マンションのほうが安価に見えますが、
1Kといった単身用マンションの売買も含まれているため、グラフでは安く見えやすくなっています。
中古マンション価格は、2013年と比較して、1.5倍にまで高騰しています。
反して、中古戸建物件の価格は、やや緩やかに推移しており、
加えて、2022年をピークとしてわずかに下降傾向にあるようです。
2:住まいの価格はどう決まる?中古住宅の「価値」の仕組みと、中古戸建がお得な理由
「住まいの価格」が決まる仕組みは、需要と供給の他にも、「土地・建物の価値」という概念があります。
「土地」と「建物」それぞれが価値を持ち、その二つの合計が「住まいの価格」となります。
「土地の価値」は、人口や人気のある場所を、金額で評価した「路線価」によって決まります。
つまり、人口の多いマンションは、路線価も高くなりやすく、
反対に、戸建住宅が多い低層住居専用地域は、人通りが落ち着いていて、路線価はそれほど高くありません。
注意が必要なのは、「建物の価値」です。
建物の価値は、築年数ととも下落します。
その下がり幅は、おもに構造で異なりますが、
一般的な木造住宅では、築5年で約半分に、築25年ほどでゼロとなります。
その理由は、「耐用年数」という考え方に基づいているから。
法律で定められた「資産として価値がある期間」を「法定耐用年数」といいますが、
これが、税金の計算や不動産評価の基準になります。
【法定耐用年数】
■ 戸建て(木造) : 22年経過で「価値がゼロ」
■ マンション(鉄筋コンクリート造): 47年年経過で「価値がゼロ」
このように、マンションの方が倍以上長く設定されているため、
建物の価値が減っていくペースが戸建てよりも緩やかになります。
また、マンションの土地は完全な所有権ではなく、他の住民と共同で持つ「区分所有」となるため、
土地そのものを自由に売買することはできません。
いっぽう、中古戸建住宅は、前述の通り、築20年を超えた時点で、ほぼ土地だけの価値となります。
そのため、中古マンションの価格は高く、中古戸建住宅の価格は低く推移しやすいのです。
耐用年数イコール「快適に住める年数」ではない
「建物の価値がゼロだと、快適に住めないのでは?」と思われる方も多いかと思いますが、
実際はそうではありません。
耐用年数はあくまで、固定資産税や、売買価格の方針を決めるための「法律上」での考え方であり、
実際の建物の状態とは異なります。
築年数を経ていても、基礎構造がしっかりしていて、
メンテナンスされている住宅は、十分快適に住み続けることが可能です。
反対に、マンションのように耐用年数が長くても、
修繕が長年されていなかったりして、「耐用年数よりも実際の状態が悪い」ケースも存在します。
耐用年数が切れ、土地だけの価値になった戸建物件は、
「快適に住める家を、実質無料で手に入れられるチャンス」でもあるのです。
最後に資産が残るのはマンションではなく「戸建物件」
様々な条件をクリアして、物件を購入した場合、
次に考えることは「家の将来」のことではないでしょうか。
「家が老朽化して住めなくなった時、どちらの方が資産が手元に残るのか?」
この場合、断然「中古戸建」のほうがが手元に残ると言えるでしょう。
その理由は、いたってシンプル。
マンションと違って戸建住宅は、「単独所有であり、他の住民との共有資産ではない」からです。
なぜ単独所有だと、手元に残りやすいのか?
わかりやすく表にしてみました。
| 戸建住宅 | マンション | |
|---|---|---|
| 所有形態 | 単独で土地+建物を所有 | 土地は他住人と共有、建物は部屋のみ区分所有 |
| 建て替える時は… | 自分一人で決められる | 区分所有者全員のうち、4/5の賛成が必要 |
| 建て替え費用 | 二世帯・平屋・小規模など、自由に決められる | 区分所有者全員で分割するため、住人が少なければ費用負担大 |
| 更地にして売る時 | 自由に決められる | 他の住人が一人でも反対すれば、すぐ更地にはできない |
このように、マンションは土地をはじめに様々な部分を他の住人と共有で所持しているため、
老朽化に伴う建て替えや売却には、必ず他の住民の同意が必要です。
他の住民から反対されるリスクを考えると、安定した資産とは言い難いため、
「資産」の視点で見れば、中古戸建のほうが価値があると言えるのです。
3:中古戸建住宅探しは、プロの手を借りよう!物件探しで気を付けるべきこと
今回は、「中古マンション」と「中古戸建住宅」の違いと、中古戸建住宅のメリットをご説明しました。
とはいえ、中古戸建は、注意すべき物件も多数存在します。
なぜならば、中古戸建物件に多い「木造住宅」は、鉄筋コンクリートよりも劣化しやすく、
また建てられる土地についても、今と昔で大きく条件が異なっているため。
■ シロアリが発生しており、雨漏りや痛みが激しい
■ 法律の改定で、建て替えなどの再建築ができなくなっている
■ 盛り土で崖の上に建っており、維持が大変
このような物件は改修が難しく、リノベーションをする場合は工事費用がかさんでしまうことも少なくありません。
かといって、建築の知識がなければ、物件を見極めるのも難しいのが実情です。
中古戸建物件を購入する場合は、不動産のプロや建築士の視点から
安全な物件を選定することをお勧めします。

リノリビングでは、状態のよい中古戸建物件を購入し、
リノベーションを施した実例を掲載しています。
検討中の方は、ぜひご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
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