『危険な箇所が載っていない⁉』内水氾濫ハザードマップの整備状況に課題
2022.12.11
買取再販事業で中古戸建の仕入れを行っていると、よく過去に床下浸水履歴のある物件に遭遇します。
弊社では、戸建を仕入れる際は事前にハザードマップの確認を徹底しています。
しかし、稀にハザードマップ上では問題無いように見える地域でも過去に浸水している場合があることに気が付きました。
どうしてこんなことが起こるのだろうと気になって調べていくと次のような事が判明しました。
■『内水ハザードマップ』は全国約9割の自治体が未掲載
前回のコラムで、水害には外水氾濫(洪水)と内水氾濫があることが分かっていただけたかと思います。
発生のメカニズムが異なるため、当然ハザードマップもそれぞれ作成する必要があります。
近年頻発する豪雨災害を受け、国は2015年に水防法を改正。想定される最大規模の雨が降った際に内水氾濫によって浸水する範囲を記載した『内水ハザードマップ』を作成することが義務づけられました。
しかし、その普及率は現時点では低く、全国の自治体でたったの7%にとどまっています。
災害には事前の備えがとても大事ですが、これでは自分の住んでいる場所が安全なのか確認出来ませんね💦
出典:「危険な場所が載ってない!」命守るハザードマップに大きな問題点/Yahoo!ニュース
■都市部だけではないハザードマップの問題点
都道府県別の作成率は、最も進んでいる東京が65・5%で、大阪28・3%、愛知25・6%と続いており、都市部ほど高い傾向となっているようです。
しかし、ハザードマップの問題点は、下水道などが整備された都市部だけではありません。
農村部には、農業を営むうえで欠かせない水を確保するためのため池が各地にあります。
福岡県朝倉市では2017年7月の豪雨で、隣接する2つのため池が決壊し、下流の住民3人が死亡しています。
このように決壊した際に付近の住民に危険が及ぶ可能性のあるため池が全国にはたくさんあるようです。
弊社では朝倉市等の郊外の物件も多く買取しているため、よく知っておきたいところです。
■福岡県内の整備状況
福岡市では、博多駅周辺地区の内水浸水想定区域図が指定・公表されています。
理由は、かつて甚大な浸水被害が発生し、また大規模な地下街を有しているためです。
しかし、博多駅周辺地区以外は現在検討中であり、浸水想定区域が示されておりません。
その他には、柳川市、京都郡苅田町、筑紫野市(一部地域)、朝倉郡筑前町等で作成されているようです。
■今回の内容を踏まえて
弊社は福岡市に事務所がありますが、福岡県郊外の幅広いエリアで買取を行っています。
今回のようなハザードマップでは分からない危険な箇所も、地場の不動産会社の方であればご存知の事も多いかと思います。
そういった情報を弊社の担当が訪問させていただいた際に是非共有いただけると大変助かります。
福岡県内でも、まだまだ地理的に詳しくない地域は多いですが、少しずつ勉強して情報を蓄積していきたいと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
参考:「危険な場所が載ってない!」命守るハザードマップに大きな問題点/Yahoo!ニュース