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施工事例|商業空間

ひらお横丁

 

歴史あるランドマークのターニングポイント

地域に親しみのある建物を大きく変えずに、収益を生むテナントビルへ

80年以上の歴史がある平尾薬局から、リノベーションのご依頼を受けたのは、2022年10月のことでした。
漢方薬局として、長きにわたり、平尾のまちのランドマークであり続けた平尾薬局。シンボルの黄色い看板は、30年もの間、変わらずに掲げられており、平尾に住む人々の心のよりどころとして、親しまれてきた歴史があります。
しかし、50年の歴史を歩んできた建物は、老朽化が顕著に。1階の店舗や、2階の住宅部分にも、内装の痛みが目立つようになっていました。
祖父の代から薬局を受け継いできたM様は、開業50年の節目を前に、リノベーションを決断。建物全体のリニューアルを、リノリビングにご依頼されました。

 

 

リノベーションの前に立ちはだかる課題

好立地の建物を活かした3つの活用法を提案

M氏の当初の希望は、今までと同じ「店舗兼住宅」へのリノベーションでした。
しかしながら、今まで通り建物に住みながら、漢方薬局を続けていくことに問題もありました。
というのも、近年薬局はチェーン店が増え、競争が激化している業界。厳しい競争のさなかにある事業を、次代に継承していく方法も、模索する必要があったのです。
そこで、リノリビングが提案したのは、立地を生かした活用方法でした。
平尾薬局は、平尾駅のすぐそばに位置しています。古くから小さな商店がたくさん立ち並んでおり、マンションや商業施設が新設され、ひと際人通りが多い場所でもありました。
活用の選択肢は3つ。
一つは、今まで通り店舗兼住宅にリノベーションすること。もう一つは、賃貸収入を重視したビルに建て替えること。最後の一つは、建物を大きく変えずに、テナントビルへリノベーションすることでした。

 

 

建物の構造を活かしたリノベーションで、

平尾のまちと親和する「新たなランドマーク」を計画

M様が選択したのは、「建物を大きく変えずに、テナントビルへリノベーションすること」でした。
収益性だけを重視すれば、「大型の賃貸ビル」に建て替える方法が、一番効率的だと言えます。
しかし、大型ビルへの建て替えは、数億円規模の予算が必要です。次代への事業継承を考えるM氏にとって、多額の費用負担は大きな問題でした。
しかし、既存の建物をリノベーションする方法であれば、費用の問題はある程度クリアできます。
加えて、建物の構造をある程度残すことで、長年平尾のまちの人々が親しんできた風景を、損なうこともありません。
小さな商店がたくさん立ち並ぶまちだからこそ、まちと建物の親和性はとても重要なポイントです。
シンボルが少しでも変わってしまうことで、変化がまち全体に波及し、地域そのものが変質してしまうことが考えられるためです。
まちと親和する外観を残しながら、新しい魅力を建物に付与し、収益性を高める。
平尾の新たなランドマーク「ひらお横丁」の計画がスタートしました。

 

 

デザインコンセプトは『客家円楼』

平尾薬局を訪れる人が、テナントを回遊できる商業施設へ

リノベーションにあたり、リノベエステイトの松山真介氏が設計チームに参加。 建物のデザインコンセプトは、「漢方」のエッセンスを取り入れた、中国の『客家円楼』となりました。
『客家円楼』とは、その名の通り、円形の楼閣のことを言います。 中国の福建省にある伝統建築で、円形の堅牢な壁で守られた内部では、 「客家」と呼ばれる人々が共同生活を送っています。
ひらお横丁は、そんな『客家円楼』のように、入居する隣人同士が交流し、 集まる人が、店舗を回遊できるようなテナントビルを目指しました。
生まれ変わった平尾薬局の内部は、店舗の広さこそ以前より縮小したものの、開放感を意識した造りにリノベーション。自然素材が活きる、居心地のよい店舗づくりを心掛けました。
さらに、キーテナントとなる平尾薬局に合わせて、ビル全体のテーマを設定。「Health(健康)」「Beauty(きれい)」「Culture(文化)」の三つをコンセプトに、入居希望者とは一人ひとり面談をして、テーマから乖離しないように、大切にしています。

 

 

大小さまざまなテナントを配置

「小さなお店」が輝く平尾エリアのまちづくり

内部のテナントは、等間隔にスペースを区切らず、大小さまざまな広さの7店舗。 約16坪の店舗から、なんと2坪の売店ほどのサイズまで、多彩なバリエーションがあります。
2坪のテナントは、レジスペースだけのとても小さなもの。にもかかわらず、テナント募集時には、最も多く問い合わせがありました。
さまざまな広さのテナントを用意した理由は、「個人事業主によるチャレンジ・ショップ」的な利用を想定したことにあります。
もとより、平尾は、個人経営の小さな店舗が多いエリアです。
大型チェーンストアではない「新しい商店街のかたち」として、エリアの再生に貢献したい、という思いがこめられています。

 

 

建物の外観は、形や外壁の色合いを、変化していないように見せるデザインで設計。
ランドスケープとしての喪失感をなくし、これまでと変わらずにたたずんでいます。
夜になると、七色にかわる光でライトアップ。
生まれ変わった平尾薬局の文字とともに、建物全体が移り変わりながら、夜の平尾のまちに浮かび上がります。

 

業態
テナントビル
構造
鉄骨造
専有面積
365.11㎡
オープン日
2023年11月

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